• 01/31/2026

静かな森と都市の明かり・・・ グローバルな政治経済秩序を考える

新しい平和と繁栄の条件。国境を超えて、市民にふさわしい秩序を築く。  グローバルな政治と経済のダイナミズム、国際政治経済学を学ぶ人のために。

最終講義4 グローバリゼーションと2016年の衝撃

《グローバリゼーション》とその限界を考えることは、今や、政治経済学を探求する者の使命になりました。

通貨危機の回避、国際通貨制度の改革には、《政治》が重要です。
国家を超える秩序の構築について、国際政治、歴史社会学、地政学に私は関心を持ちました。

ブレグジットも、トランプも、《グローバリゼーション》に対する間違った答えの一つでした。

グローバリゼーションの限界は、2001年の《同時多発テロ》であったかもしれません。2機目の飛行機が高層ビルに吸い込まれるように激突するさまを、わたしたちはTV放送で目撃しました。
突然始まったアフガニスタン侵攻は、アメリカが国際秩序を一方的に破壊する意志の表れでした。
しかし、メキシコやアジア諸国で起きた通貨危機、債務危機、財政緊縮と不況、政権崩壊は、すでに《グローバリゼーション》の限界を示していたと思います。
2008年、米英の金融センターから起きた《世界金融危機》について、パンカジ・ミシュラが述べた激しい批判に私は共感します。

リアリストの国際政治、地政学に、私はより多く興味を持つようになりました。冷戦終結を異なる視点で見ていたR. D. カプランの本 The Coming Anarchy が印象的でした。

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世界政治に向かうロジックを考える

国際秩序を築く。戦争と覇権の交代に代わる答えを求めて、コンストラクティビズム(構築主義)を学びました。
オバマの勝利を機に、前田さんとラギー『平和を勝ち取る』を訳しました。

私の父は癌で死に、母はそのころから軽い認知症でした。父に私は、母さんの生活を助けると約束しました。
大阪の実家において、約7年間、土曜日の朝から月曜日の夜まで、私は母のために買い物と料理をし、台所でパソコンのキーをたたきました。
たしかに最初、料理は難しかったです。しかしネットでレシピを検索し、自分が作った野菜炒めや豚汁を、うまいね!と言いながら母と食べて、料理も私の趣味になりました。
しかし今、母はグループホームにいます。私が泊まっていない夜に徘徊して、2度、警察に保護されたのです。

ランニングは週に2回か3回、冬の寒風の中も、酷暑の夏もいとわず、続けました。
しかし、タイムがすごく悪い! 距離も走れなくなりました。そこで始めたのが登山です。
北岳、薬師岳(ガスのため頂上は断念)、仙丈ヶ岳、大山などに登り、大杉峡谷を歩きました。昨年は四国の石鎚山に登りました。
ひとりで、マイペースの、静かな登山です。

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石鎚山から見た弥山

コロナの頃はReviewを書いて、講義に消耗した教える意欲を維持しました。
Reviewが私の仕事になり、書くことが楽しみになりました。
優れた経済学者、政治学や社会学の専門家、歴史家などが、現在の重要問題に示す斬新な視点と洞察は、現実世界の変化を促し、方向づける力があると思います。

最後に、自分で納得する本を出版できたのが、私の幸運です。
『ブレグジット×トランプの時代』は、私の模索した一つの答えでした。
しかし残念です。
学生たちはこの本を読まず(楽しまず)、真剣なコメントを受け取ることもほとんどありませんでした。
でも、研究と講義において、ともかく全力で駆け抜けた、と思います。

職場を改善するために、もっと取り組むべきだったと思います。2016年、私は教職員組合の委員長を引き受けたのです。
給与体系や定年退職制度(その延長資格)、非正規労働者の問題を考えるべきだと思いました。
経済学部は組合参加者が減っており、フリー・ライダー問題が深刻でした。ワールドカフェを開き、委員長の任期を2年に戻し、多年度にわたって重要問題を調査・提案・監視する委員会を設けるべきだ、と思いました。

私は退職します。

日本の異なる町で、風土を楽しみ、働くつもりです。あるいは、バードウォッチングや子ども食堂のボランティアがしたいです(γGTP の値が高く、医師の助言で、最近、ランニングをあきらめました)。
鳥たち、子どもたちを助けて、研究や教育において累積した債務を、わずかでも社会に返済したいと思うのです。

By onozn

大学で30年教えたあと、2025年春に定年退職しました。社会とのかかわりを模索中です。できることなら多くの街で仕事を経験したい。 「IPEの果樹園」を継続し、世界の政治経済に生じる変化を追いながら、本当に好ましい生活と社会の在り方を探そうと思います。

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