• 01/31/2026

静かな森と都市の明かり・・・ グローバルな政治経済秩序を考える

新しい平和と繁栄の条件。国境を超えて、市民にふさわしい秩序を築く。  グローバルな政治と経済のダイナミズム、国際政治経済学を学ぶ人のために。

IPEの想像力 6/2/2025

ある国の独裁的な権力は、その土地に歴史的・地理的に蓄積された条件であり、変化することは難しい、あるいは、決して変化しない。それは、古代の王朝交代を再現する歴史観でした。 

文字や計算、河川、海洋、星座、輸送手段、貯蔵できる穀物と管理技術、戦争、そのほかにも、土着の支配構造とその支配領域を拡大した要因があったと思います。古代国家の形成とその帝国は終わり、近代的な再編過程が、ルネサンスや北西ヨーロッパからの市場経済と市民社会・文化のグローバル化として、歴史の進歩に向かう圧力を形成した、と思ってきました。 

ロシアでは、たとえ農奴制と皇帝の支配システムが深く根付いているとしても、土地、資源、軍事力ではなく、国民の声を聴く政府の下で、新しい成長モデルを選択する日がくると思いました。間違った市場自由化、富と権力の偏在・集中によって、プーチンのような独裁者が現れたことは、歴史の方向を逆転するものではありません。 

中国のハイテク分野に及ぶ急速な産業発展、世界貿易の支配は、情報や金融システムにおいても欧米と日本の影響を脅かす水準に達しており、そのことを通じて、内外における政治権力の構造的条件を見直すことは避けられません。それでもなお、不動産不況と将来への不安、こどもの親たちにとっては受験競争の異常な激化が、共産党の盛衰よりも重要です。 

左派とリベラル派は、独裁と民主化とを対峙させて考えました。 

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世界各地で、その逆の現象を含む、異なる権力交代が起きています。 

支配王朝の交代でも、民主主義体制に向かう進歩でもなく、AIが急速に普及するネットワークの中で、人間は社会を構築する力を失い、急激に滅亡し始めたからです。 

日本は、すでに雇用されていた労働者を守ることに成功しましたが、新しく雇用される機会がなくなった「失われた世代」の困窮が、人口減少とともに、長期停滞の背景になったと思われます。出生率の低下と長期停滞は、韓国、中国にもおよびます。パンデミックからの回復において金融政策の量的拡大が欧米に広がり、デフレと停滞、債務依存が「日本化」とよばれました。 

アメリカ政府が安全保障や開発援助を供与する条件として、他国に市場自由化、民主化、言論の自由を求めた時代に代わって、ラテンアメリカに繰り返し現れる少数支配の政治構造、選挙を介した富と権力の強奪を世界に向けて輸出しています。自国の独裁者に、多くの声が圧殺される毎日です。金融・ハイテク企業のグローバル化、民主主義への攻撃にあって、世界の政治構造が軋轢を生じています。 

ポピュリストの怒りの渦は、人類の抹殺に向かうAI支配の条件を政治的に規制しなければ、文明を破壊し続けるでしょう。小さなコミュニティーが信頼を回復する余地を地球に与える、家族や宗教を見直す社会的保守主義が、革命運動のフロンティアに現れます。 

By onozn

大学で30年教えたあと、2025年春に定年退職しました。社会とのかかわりを模索中です。できることなら多くの街で仕事を経験したい。 「IPEの果樹園」を継続し、世界の政治経済に生じる変化を追いながら、本当に好ましい生活と社会の在り方を探そうと思います。

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