• 01/31/2026

静かな森と都市の明かり・・・ グローバルな政治経済秩序を考える

新しい平和と繁栄の条件。国境を超えて、市民にふさわしい秩序を築く。  グローバルな政治と経済のダイナミズム、国際政治経済学を学ぶ人のために。

IPEの想像力 6/23/2025

「木村多江のいまさらですが・・・沖縄戦、語り継ぐべき」を観ました。

沖縄戦から80年。6月23日の慰霊の日に、ニュースは異なる世界を伝えています。

イランの核施設を空爆したアメリカ空軍のバンカーバスターと、イランの核施設を消滅させて核武装を阻止した、と宣言するトランプ大統領と、ガザにおける救援物資を集めた施設に集まる民間人を殺害した、イスラエル軍のニュースが続きます。


イランの軍基地やミサイル、防空施設を破壊し、周囲の民間人も含めて、要人や科学者を殺害したイスラエル軍に続いて、アメリカ軍はイランの重要な核施設をバンカーバスターで空爆しました。それは(2週間の猶予を否定し)驚きをもたらしたが、予想されたシナリオの1つとしてさまざまに論じられています。

しかし最後に問うべきは、この軍事行動、戦争が、何を実現するのか? どのような安全保障の地域構造と、それを支える主要諸国の政治的合意を確立するのか? というものです。イスラエルとアメリカの指導者は答えなければなりません。

大きな成果ばかりを主張するトランプのリアリティーショーは、長期的視点を欠き、その土地の社会や政治にもたらす意味を無視し、事件から波及し、複雑に屈折する民衆の心理、政治意識をくわしく分析した判断ではない、と思います。

トランプは、LAにおける移民労働者への襲撃、令状の無い捜査や逮捕、裁判所を無視した国外追放、抗議する非暴力の群衆に向けた催涙弾やゴム弾の使用、州兵や海兵隊の動員を命じました。

トランプの誕生日に合わせた軍事パレードの不人気に、「ノー・キングス」の反トランプ・デモ行進が多くの都市で組織されたことを、不愉快に思ったはずです。

なるほど、だからイランに空爆を命じたのか、とさえ思えます。トランプ政治の次の舞台は中東の戦場です。破壊と殺戮の現場をカメラは伝えます。事態を大きく悪化させる絶望的なシナリオを並べてから、翌日、停戦に合意した、とSNSで発信しました。


核兵器を持つ国が他国を脅迫し、国際的なルールを無視した軍事侵攻が、既存の秩序を解体しました。

核武装することが、すくなくとも、核大国に自国の安全保障をゆだねることが、核兵器に反対するのは無意味である、とすべての国を沈黙させます。核大国が他の分野でも不公平な条件を強制するようになりました。

戦争において、核施設を攻撃することがタブーでなくなれば、原発も核拡散になります。放射能汚染を目的に、敵国の原発を破壊し、長期にわたって死者をもたらし、多くの土地を住めなくすることで、地球全体の汚染と、パンデミックに似た人口の大移動、人口離散を強制します。

核兵器を無力化するシステムを築く必要があるでしょう。たとえば、核保有国が核を使用した場合の莫大なコストを共有する仕組み、核兵器そのものが自爆する仕組み、核弾頭を搭載したミサイルの誘導システムを破壊し、発射した国に向かうことを確実にする。

AI開発競争を核兵器の完全廃絶に向ける研究体制、グローバル企業連合をめざすときです。


プーチンは、自国の100万人の死を顧みない戦争指導者です。NATOとの帝国間戦争というイデオロギー、犠牲者に対する国民からの潤沢な補償が、貧困地帯の国民に「死の栄光」 をもたらす政治体制を構築しました。

The Economistの記事で、ラトビア外相は、プーチンに対する幻想(宥和や緊張緩和)を捨てるべきだ、と強調しました。「国家とNATOの集団防衛の強化、ロシアの戦争遂行能力の弱体化(金融制裁)、そして、ウクライナの外交的、軍事的、経済的自衛能力の維持という3つの柱 」を求めました。

石破茂が、イスラエルの戦争行為を批判し、ひめゆりの塔を訪れて献花したのは、日本の首相として、自民党の枠を超える優れた指導力を示した、と思いました。決断のための信念を確認するものです。

By onozn

大学で30年教えたあと、2025年春に定年退職しました。社会とのかかわりを模索中です。できることなら多くの街で仕事を経験したい。 「IPEの果樹園」を継続し、世界の政治経済に生じる変化を追いながら、本当に好ましい生活と社会の在り方を探そうと思います。

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