• 01/31/2026

静かな森と都市の明かり・・・ グローバルな政治経済秩序を考える

新しい平和と繁栄の条件。国境を超えて、市民にふさわしい秩序を築く。  グローバルな政治と経済のダイナミズム、国際政治経済学を学ぶ人のために。

IPEの想像力 10/20/2025

NHKスペシャル「サラームの戦場」を観ました。 

子どもたちが、寒さ、空腹、肉親の死を耐えています。瓦礫の中で、一人、遊ぶ子どもを観て、サラームは抱きしめてやりたいと思います。避難した家族と一緒に遊んだり、冗談を言ったりしていたころに戻りたい、と。 

病院が爆撃されました。死者に毛布を掛けて運ぶために、すがりつく家族を慰める人びとは「神が召されたのだ」と言いました。しかし、住居や町全体の破壊、繰り返される避難、長期のテント暮らし、支援物資の枯渇により大人たちは食糧を奪い合い、子どもが土砂に混じった穀物を必死に集める中で、助け合いや人としての尊厳、信仰さえも失い始めます。 

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公明党が自民党との連立を離脱して、日本維新の会が自民党と連立政権を組む話が一気に進みました。 

なぜ議員定数の削減なのか? 「身を切る改革」が筋だ、と吉村代表は強調します。 

大阪都構想。大阪独立論。維新のHPは「政権公約 2025 基幹政策(コア・ポリシー)」を掲げています。新興政党として、旧政治システムや既得権者を批判し、政治の枠組みや制度を変える斬新なアイデアを実現する意志を示している点で、ここまで成功したことを賞賛したい気持ちになります。 

しかし、有権者の注目を集める演出、今の大阪万博・カジノ誘致を、私は支持できませんでした。異なる日本の政治経済モデルをマーガレット・サッチャーに求めたのは、高市早苗以上に、維新の会ではないでしょうか? 

減税(増税反対)・規制緩和、そのための議員定数や公務員数・給与の削減、民営化(政治家より企業家)。権力闘争、敵対する姿勢。万博やカジノといった国際観光業に依存する大阪の未来像を、多くの市民は望まないと思います。10兆円のインフラ投資は、市民のためにほかに使えただろう、と批判されます。 

そして、大阪を離れた部分で、「命を守る外交・安全保障と憲法改正 」(皇室)が追加され、保守的改革の性格を示していました。高市内閣を支持する理由です。 

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サッチャー型の緊縮財政は、今も激しく対立する論点です。企業・富裕層優遇で成長を刺激しても、コミュニティーや地方財政を切り捨て、大きな不平等、社会の分断を生んだ、と批判されます。維新がめざす社会のイメージは分裂・分断に向かう、という疑念を生じます。 

政治から忘れられ、成長から取り残された人たちは、EU離脱、UK独立党・UK改革党を支持し、労働党や保守党から支持を奪いました。 

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少数意見、弱者の声を聴く姿勢は、政党や成長モデルの革新とともに欠かせません。 

働く人々の生活を改善する、賃金上昇、社会福祉の充実とその財源、教育改革、少子・高齢社会を問う。AIの活用も、医療や社会制度の改革も、必要だと思います。 

自民・維新政権は、その政治姿勢を問われます。外国人労働者の社会統合、多文化共生、差別をなくし、人権を重視する。難民、国際紛争をどう考えるのか。中国、韓国、台湾、ロシア、北朝鮮との向き合い方。 

新しい首相は、トランプ大統領と会って何を話すのでしょうか? ガザや大阪の子どもたちの不安を希望に変える、政治の力を問われます。 

By onozn

大学で30年教えたあと、2025年春に定年退職しました。社会とのかかわりを模索中です。できることなら多くの街で仕事を経験したい。 「IPEの果樹園」を継続し、世界の政治経済に生じる変化を追いながら、本当に好ましい生活と社会の在り方を探そうと思います。

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