人間の豊かさとは何か? 幸せを実感する条件は時代とともに変化します。
台湾の脆弱性が、通貨安による輸出指向型成長と安全保障における対米依存である、という The Economist の考察は、日本がたどり着いた姿と重なります。今、アベノミクスの円安・デフレ脱却の末に、台湾に似た経済の二重化が深刻な問題を生じています。プラザ合意やバブル崩壊を経てきた「日本病」は、「オランダ病」と似た「台湾病」「台湾症候群」の一類型かもしれません。
グローバリゼーションや輸出主導型GDP成長の時代から、育児・高齢者介護型福祉社会の充実へ、日本はとっくに舵を切っていると気づくべきでした。
しかしそれは、強権ポピュリスト・核軍事帝国とネット依存型・テクノ封建社会の拡大に対抗できるのでしょうか?
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「(台湾)中央銀行は事実上、輸出競争力を一般台湾人の生活水準を犠牲にして高めている。批評家は、中央銀行が輸出成長をひたすら優先する姿勢は、いくつかの点で台湾に悪影響を及ぼしていると指摘する。第一に、通貨安の維持は輸入業者を犠牲にして輸出業者を補助することになる。食料と燃料(自動車や発電所用)の大部分を輸入に頼る台湾では、これは貧困世帯から輸出企業の経営者や従業員への移転という形で機能する。
台湾の労働者が不満を抱くのも無理はない。労働生産性は1998年以降倍増しているが、多くの先進国や賃金抑制に苦しむ中国とは異なり、賃金はそれに連動して上昇していない。台湾の単位労働コスト(生産高1単位あたりの労働者の賃金を示す指標)は、同期間に25%低下している。言い換えれば、台湾の増大する工業生産高における労働者のシェアは縮小しているのだ。」 The Economist November 15th 2025
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日本は台湾から何を学ぶべきか? そして台湾は、香港化と日本化を避けられるか?
親やコミュニティーが子どもを育てることに幸せを実感する、優れた環境を政策は実現できる。高齢者が住宅や医療に不当な苦しみ、惨めさを耐える必要が無い政策は実現できる。そういう国に私は住みたい。
ウクライナの《和平》をトランプが描きます。関税交渉に続く、地域安全保障についてのトランプ政権が示す姿勢は、東アジアにおける影響は台湾や韓国、「最強の同盟国」日本の高市政権にも及ぶでしょう。
核武装や人工知能に究極の答えがあると脅迫するパワー・エリートたちに、警戒しなければなりません。