「今年の言葉」という企画があります。FTの Year in a wordは、Stablecoins: 6-7: Rare earths: AI bubble: Remigration: Affordability: Tradwife を挙げています。
しかし、「働いて×5」を熱弁した高市早苗氏を挙げる番組は、トランプの脅迫と強権に群がる超富裕層やメディアの腐敗を想わせる甘言だな・・・と私は思いました。
****
私にとってこの一年は、ブレグジット×トランプの時代の変貌を追いながら、退職して得た自由と移住を経験した年でした。
「トランプ氏の最初の国家安全保障戦略(NSS)は、数十年にわたるジハード主義者との小規模な戦争からアメリカを方向転換させ、中国とロシアとの「大国間の競争」に焦点を絞らせた。それは2022年のバイデン氏の国家安全保障戦略(NSS)にも影響を与えた。しかし、トランプ第2期は第1期が築き上げたコンセンサスを破る。彼の最新の国家安全保障戦略は、よりダーウィン的な世界を構想している。アメリカは今や「勢力均衡」を目指しており、それは時に勢力圏を彷彿とさせる。「より大きく、より豊かで、より強力な国の並外れた影響力は、国際関係における永遠の真理である」とNSSは述べている。」Inside the fight for MAGA’s foreign policy, The Economist December 13th 2025
異民族を受け入れたヨーロッパは文明を滅ぼし、右派ポピュリストによる権力奪取と対立する者たちの弾圧、国外追放をアメリカが支援します。西半球をアメリカが思い通りに収奪し、その他の世界ではプーチン、習近平、金正恩らが分割して統治すればよい。軍事的な強者だけが、領土も法律も変更し、強制できる。
****
トランプの権力は絶頂期を過ぎた? No Kings!でアメリカ国民は残酷な支配者に反対する意志を示しました。ICEやDOGEの蛮行が国民にいつまでも支持されるとは思えません。裁判所や議会が大統領の権力を制限する意思を示すよう、励ますものです。
今年最後の「今週のReview」を作りながら、私が得た今年の言葉は、理性と連帯です。
理性・・・「アメリカ革命、そして後にフランス革命によって、新たな時代が幕を開けました。理性が信仰に取って代わり、権威から解放された人間の精神が、進歩とより道徳的な世界の原動力となるのです。」 Joseph de Weck, Our king, our priest, our feudal lord – how AI is taking us back to the dark ages, The Guardian, Fri 26 Dec 2025
この社会の姿を決めるのは、王様でも、司祭でも、封建領主でもないし、AIでもない。理性を駆使する人びとの、対話を通じて行動する勇気です。それこそが西洋文明のグローバリゼーションが私たちに残す成果なのでしょう。
連帯・・・「慢性的な雇用不安は、あらゆる連帯の可能性を蝕む。闘争の地平線を、個人の生存のみへと矮小化する。生計を立てようと奮闘する個人にとって、しばしば自己卑下を受け入れる以外に「選択肢がない」。他者は自由への道を阻む物と化してしまう。」Jenny Odell, Would You Kill for a Job? NYT Dec. 27, 2025
イノベーションと所得分配をめぐる政治権力や制度の在り方を根本的に問い直す姿勢が、私は政治経済学の本質だと思います。働く意味や目的、共に働く者たちの幸せを願う人間の集まる社会を具体的に実現し、脅威から守る、未来のガバナンスに、分断を超えるフロンティアをみました。