トランプ政権は、中国との貿易戦争をエスカレートさせて後退し、イランへの斬首型体制転換を始めて失敗しました。誰の意見も聴こうとしないトランプに対して、AIが真実を教える余地はなかったのでしょう。
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圧倒的な情報量、圧倒的な処理スピードを求められるとき、もはや人間の判断や政治的合意形成に頼らない軍が戦争に勝ちます。AIの助言が国際政治を変えるかもしれません。
AIが総司令官の補佐役に就いて、戦争を計画し、爆撃目標を定め、戦死者を増減させます。人間が合意できなかったような戦争ゲームの条件を、AIが変える時代に入ります。
ルール1:AIは核兵器を使用する勝利を許さない。
ルール2:AIは市民、特に子供の殺傷を回避する形で戦争計画を立てる。
ルール3:AIは、局面ごとに、政治指導者たちの戦争目的や達成確率を表示す。また長期の見通し、外交交渉に変えた場合の主要国の意見、異なる利害関係を、一斉通知する。
しかし、こうしたAIが主導する戦争を実行し、戦争を終わらせるのは、人間です。
マクミランの論説を読んでください。現在、軽視されるにもかかわらず、国際法の重要性を考えています。
Margaret MacMillan, “International law is in retreat. We cannot let it die,” FT March 14, 2026.
国際法による戦争の回避、平和的な国際秩序とその調整は歴史的課題であり、あきらめることは答えになりません。勢力均衡、覇権争い、核拡散、勢力圏。大国の盛衰を超えて、平和の条件は人類によって構築され続けます。
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イランに関するP.テイラーとA.ヴァエズの説明を読んでください。戦争(そして政変・革命)という対象が、地域や時代を超えて広がり、歴史的な理念と地理に根を張った、容易に理解のおよばない複雑な生命体に変わるのを感じます。
Paul Taylor, “I had a ringside seat for the Iranian revolution. Foreign meddling didn’t work then either,” The Guardian, Sat 14 Mar 2026.
テイラーは欧州政策センターの上級客員研究員 です。イランのイスラム革命を記者として経験しました。
Ezra Klein and Ali Vaez, “What Trump Didn’t Know About Iran,” NYT March 14, 2026.
Ali Vaez, the Iran project director at the International Crisis Group, explains the history of miscalculations that led to the war in Iran.
ヴァエズはイランが合意した JCPOA(包括的共同行動計画 )の交渉に関与した、現在、国際危機グループのイラン・プロジェクト・ディレクターです。
フランス革命、ロシア革命と同じように、イラン革命は周辺地域や世界に影響をおよぼし、それに対する反革命と軍事的介入に至りました。それは、民主的な社会の国際的な協力関係を組み直して、イランもその一部に加える新しい均衡と秩序を必要としています。
これまでイランのイスラム革命と民主的な政治体制への改革は成功しませんでした。そのことが重大な結果につながったと思います。しかも、西側の、特にアメリカの、軍事的優位と帝国的発想(世界経済への石油供給を確保する)が、イランと世界に災いをもたらしたことを知りました。
ハメネイ、トランプ、ネタニヤフは否定するでしょうが、現実政治と国際法を深く理解する民主的指導者たちが戦争終結の交渉と合意には必要です。