新年を迎え、民主的な秩序構築と経済再生が、民衆の強さに資するとあらためて願いました。トランプは国内のインフレや住宅危機から注意をそらすため、戦争を選択したのかもしれません。
ゾーラン・マムダニの就任式で始まった2026年に、トランプはベネズエラ侵攻でニュースを独占します。
トランプの対外政策は、彼が進めるアメリカ国内秩序の破壊を延長したにすぎません。世界各地で紛争に介入し、「平和」と称して資源や利権をあさっています。
米軍の精鋭特殊部隊デルタフォースがベネズエラのマドゥーロ大統領を拘束し、アメリカに連れ去った、というニュースに接して、3つのことを想いました。
一つは、ロシアのウクライナ侵攻について、「プーチンをぐるぐる巻きにして・・・」と願ったこと。トランプは、アメリカよりも軍事的に大きく劣る独裁者への対応を知っていました。
もう一つは、9・11テロ後の混乱と怒りが中東における独裁国家の解体と内戦に向かう時期に、戦争を宣言するより、テロリストの源泉となる紛争地域の混乱・貧窮を解決する努力を優先してほしい、と望んだこと。今もそうです。
最後に、イラク侵攻後の体制崩壊とイスラム国の拡大に向かった歴史をくりかえさず、あるいは、中国軍による台湾侵攻と体制転換、米軍との衝突にともなう日本の自衛隊による軍事力行使という未来を回避してほしい、と。
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マドゥーロはチャベスの亜流だと思いました。ドナルド・トランプはベネズエラの大統領を拘束し、情報操作・武力行使で政治体制を転換すると表明し、これを実行しました。
これは何か? 内通者や軍と連携したクーデター。むしろ、トランプの意向に従う者を権力の座に据える越境行為。アメリカの属国支配、植民地化です。
しかし、米軍兵士が一人でも犠牲になれば、報復と介入拡大、一層の強硬策に向かうか、逆に、一気に反対派を虐殺してから撤退するか、彼の気分、アメリカ国内の政治情勢が決定的な違いを生むと思います。
その先に何が残るのか。
イスラエルのガザ侵攻、プーチンの特別軍事作戦。中国のウイグル自治区における大規模収容所と監視国家。
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アメリカはリヴァイアサンではない。
トランプは、自国の民主体制破壊を前提に、国際法・国連の意義を否定し、地政学的な世界分割を推進しています。無秩序、貧困、格差、暴力は独裁の温床です。
アメリカに脅かされるEUが経済活性化や政治的結束に取り組む姿勢から、また、ウクライナのゼレンスキー大統領が苦悩する和平の条件から、日本の政治家たちは真剣に学ばねばなりません。
トランプのもたらす「平和」は、その場限りの取引であり、長期的な結果を気にしません。もし戦争状態に戻れば、当事者たちが愚かだから、と言うでしょう。
プエルトリコやハイチに対するアメリカの介入は成功しませんでした。
ベネズエラ介入は、エルサルバドルにアメリカが「囚人」を移送した姿勢に続くものだ、と想いました。この世界に現れたグローバルな監獄国家への一歩です。