湾岸諸国からの支持を得るには、代償が伴う。サウジアラビアとイスラエルの関係正常化によって、いわゆるアブラハム合意を延長するというトランプ氏の希望を考えてみよう。トランプ氏が何を言おうと、サルマン氏は、パレスチナ独立国家の樹立に向けた確実な進展なしには、この合意は実現しないと断言している。イスラエル政府は、この見通しを忌み嫌っている。
米イスラエル関係はますます緊張が高まっており、トランプ大統領は今のところ、エルサレム訪問を自身の訪問先に加える要請を断っている。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とその極右同盟は、ハマスに拘束されているイスラエル人人質への影響を顧みず、ガザ地区の長期軍事占領とパレスチナ人の大量追放を計画している。トランプ大統領は2ヶ月前、「中東のリビエラ」を築くなどと愚かな発言をして支持を表明していたが、平和はそのような場所には存在しないことを遅まきながら悟ったようだ。
湾岸諸国の権力と影響力の拡大は、21世紀の地政学的・経済的状況において避けられない事実である。しかし、中東の平和と安全保障という重要な問題を議論する際に、選挙で選ばれていない特権階級の独裁者たちが、米国大統領に正しい行い方を教えているというのは、実に異例なことだ。もしトランプ氏がもっと勇敢で誠実な男だったら、来週ガザを訪れ、自身と極右の同盟者たちが引き起こした惨状を自らの目で見るはずだ。
彼はそうしないだろう。トランプ氏が紳士ではないことは周知の事実だ。政治家でもないことも明らかだ。